Camera
- 現在使用している機材のトンボ撮影における個人的な感想を紹介
- カメラやレンズの購入を検討している人の参考になれば幸いです
- 今後はレンズやストロボも紹介予定
Sony α7RV(2023〜)
選定理由
このボディの前は Canon EOS R6 を使用していた。飛翔撮影においてAFの設定を色々と試してみたが、ピントが合う写真は非常に少なくストレスを感じていた。ちょうどシーズンが終わったタイミングで、AIによる昆虫認識AF(トンボも認識)が可能な Sony α7RV が発売され、求めていたのはこれだと思い購入に至る。
画素数
フルサイズミラーレス一眼では最高画素数である6100万画素のイメージセンサを搭載している。高画素で良かった点は、どうしても近寄れなかったときに、クロップし放題で後からカバーできるところである。また、高精細な画像が得られるためトンボの毛並みまでしっかりと写すことができ満足のいく写真が撮れるところである。
画質
少なくともISO感度250くらいまでであればノイズがほとんどなく満足のいく画質である。ISO感度400以降くらいからノイズや画素の潰れが見え始めて気になるところはあるが、AIノイズリダクションを使えば取り戻すことができる。撮影時はなるべく低ISOで撮影してセンサ性能を発揮するようにしている。
連写
連写コマ数はメカシャッターで最大10fpsだが、RAWの保存形式を圧縮RAW(1ピクセルの分解能が12bit)にする必要があり最大の14bitから2bit(1/4)落ちる。センサ性能を最大限活かしたいためロスレス圧縮RAWの14bitで撮影すると7fpsに制限される。連写中はブラックアウトするため飛んでいるトンボを追い続けるのは難しい印象。なお電子シャッターは歪みが大きいため飛んでいるトンボの撮影には向いていない。高画素では読み出す量が増えるため読み出し時間も遅くなり不利である。
オートフォーカス
被写体認識に昆虫が新たに追加され、トンボ全体もしくは頭部の認識ができるようになった。昆虫認識の恩恵は想像以上に大きく、止まっているシーンから飛んでいるシーンまでピント合わせが非常に楽になり革新的と感じている。意外だったのが、ローアングルやハイアングルなど体勢が辛い状況では4軸マルチアングル液晶モニタを活用してAFでピント合わせができるため撮影シーンが広がったと感じている。ホバリング撮影についてはすぐにピントが合うため簡単に撮影できる。飛翔撮影については、飛んでいる時も認識できるので、あとは画角内に収めることができていればピントの合った写真が撮りやすくなる。飛翔撮影の方法としてはAF-Cに設定しておき、さらにAF中にMF操作を可能にするFULL TIME DMFをオンにしておき(ボディのAF設定もしくはレンズのスイッチ)、ある程度トンボの形が見えるようになってからAFさせるとピントが合いやすく、その後はトラッキングし続けるのであとは画角に収め続けながらシャッターを切ればよい。
Sony α9III(2025〜)
選定理由
① α7RVの不満点から:α7RVはメカシャッター使用時ブラックアウトするため、飛翔しているトンボを追い続けるのが難しい問題があった。また連写のコマ数も実質7コマに制限されるため歩留まりが良くなかった。ホバリングしているトンボであれば問題ないが、飛翔中のトンボとなると追い続けるのが難しい印象。そのためブラックアウトフリー連写対応ボディが必要となった。α1IIにするかも悩んだが、以下の理由からα9IIIを選んだ。
② ストロボ全速同調:α9IIIはミラーレス一眼では初となるグローバルシャッター(全画素を同時に読み出す)を搭載している。その最大の恩恵はストロボ全速同調と言って過言ではない。これにより日中シンクロがクリップオンストロボで容易にできるようになった。逆光のような強い光が当たるシーンで背景が白飛びしないようにシャッタースピードを目一杯上げて(最大で1/80000s)適正露出で撮影できるようになる。そして正面からはストロボの光を当てることで今までには撮れなかった表現が可能になる。したがって、ストロボで自由な露出設定ができるため表現の幅が大きく広がった。
③ 動体歪みレス:ローリングシャッター方式は画素を上らから順に読み出すため、ホバリング時に翅が曲がってしまう現象が発生する(メカシャッターでは抑制可能)。たとえ積層型センサでもマイクロローリングシャッター歪みと呼ばれる微小な歪みや段差が生じる。グローバルシャッターは一括で全画素を読み出すためこの現象は発生しない。そのため余計なことを気にせず撮影に集中できる。
画素数
2400万画素であるが、クロップをしたいときにもの足りないと感じるがこれはトレードオフと認識した上で購入した。このボディの唯一の弱点ではあるが、レンズ選びや撮影技術で埋め合わせることがある程度可能で、それよりも表現の幅が広がることの方が圧倒的に重要だと考えている。
画質
ダイナミックレンジはフルサイズ機としてはスコアが低いが、ほとんど不満は感じていない。ノイズについてはISO感度が800くらいまでであれば、ノイズリダクションなどの後処理で十分な画質が得られるため問題ないレベルである。またDual base ISOが800と2000で確認されており、高いISO感度を必要なときはこのISO感度に設定して撮影するとノイズ量を減らすことができる。
連写
連写コマ数は120fpsと驚異的である。さらに連写中にAF/AE追従可能でRAW撮影(14bit)ができるのはα9IIIのみである。他社はAFができないことや、ストロボ非対応、JPEG撮影のみなどの制限がある。決定的瞬間を写真に収めたいので連写コマ数は多いに越したことはない。ただし、コマ数を多くするとバッファ容量の都合で撮れる時間が短くなる。そのため飛翔撮影時は60fpsを基本に、必要なときは連写ブースト機能で120fpsにしている。
オートフォーカス
α7RV以降のボディはAI AFが標準装備されており、α9IIIは毎秒120回の演算により動きの速い被写体への追従性能が向上している。飛翔撮影時でもトンボの頭部を認識してすぐにピントが合うため、飛翔撮影でピント合わせが難しかった時代は終焉を迎えたと感じでいる。
Sony FE 90mm F2.8 Macro G OSS(2023〜2025)
解像性能
必要十分な解像度を持っており線は細く不満はない
ボケ味
ボケはなめらかで違和感もなく不満はない
重量
602gではあるが重いと感じることはない
AF性能
マクロ撮影においては問題ないが、飛翔撮影を行うときは物足りなく動体を撮るのには向いていない
その他
F11など絞り込んだときに玉ボケが多角形になってしまうのが気になる
手袋をしたときに、筐体の材質が金属で滑りやすく、MFリングは回しにくい印象
Sony FE 300mm F2.8 GM OSS(2024〜)
解像性能
開放でも十分な解像性能だが、一段絞ったF4で撮ると非常にシャープな解像感になるため基本的には絞って撮影している
1.4倍テレコンを装着すると420mm F4になるが、開放でも十分解像するため特に不満はない
ボケ味
十分綺麗なボケ味だと思う
背景に枝などの線がある場合は少し二線ボケのような感じになり若干気になる
重量
1470gとこのクラスでは最軽量で、さらに重心バランスが非常に良く長時間の撮影が苦ではない
AF性能
非常に速く飛翔撮影においても困ることはない
その他
最大撮影倍率が0.16倍と大きく写すことができないのが難点であるが、解像性能が高いため高画素機を使えばクロップして大きくすることができる